協会について
会長のごあいさつ 村上 公哉 芝浦工業大学 建築学部 建築学科 教授
謹んで新春をお祝い申し上げます。
まずは当協会の活動を支えて頂いている会員の皆様,またご支援を頂いている関連団体や業界関係者の皆様に心より御礼を申し上げます。
さて,皆様はどのように新たな年を迎えられましたでしょうか。私は生まれ故郷である瀬戸内海に浮かぶ生名島へ帰郷することが新年の恒例となっています。この小さな島においても気候変動の影響を身近に感じるまでになりました。瀬戸内海の冬の名産の一つにカキがあります。国内最大産地の広島をはじめ瀬戸内海ではカキの養殖が盛んですが,例年に比べ養殖カキが大量に死滅し,地元でも大きな話題になりました。要因として,海水温の上昇や昨年はとても梅雨が短くそれによる河川から海への淡水流入の減少が挙がっており,まさにこれらは気候変動の影響と思われます。
世界的にも猛暑や洪水などの自然災害が顕在化し,国際社会でも気候変動対策の推進が益々大きな社会課題となっています。そのような中で昨年11 月にブラジル・ベレンにて,国連気候変動枠組条約第30 回締約国会議(COP30)が開催されました。2015 年のCOP21 で採択されたパリ協定を受け,気候変動対策の実施に向けた新たな目標設定に注目が集まっていました。しかし,議長国ブラジルが目指した,途上国への温暖化による被害を抑える適応策のためのインフラ整備支援資金の増大や温暖化自体を抑える緩和策である化石燃料から脱却に向けた行程表の策定などを合意文章に盛り込めませんでした。
これは,気候変動対策の推進の必要性は理解されているものの各国のさまざまな国益に対する思惑の下では国際的な枠組みをまとめることが困難になってきていることを示しています。このような時代だからこそ,さまざまな団体や組織の自主的な行動が重要になります。そして,建築設備分野にかかわるさまざまな団体や組織個々の“行動力” がさらに求められるのではないでしょうか。当協会もその一つであり,それが協会活動の礎になっています。
当協会の石福昭名誉会長(第7 代会長)は1998 年の協会創立60 周年に際して,「建築設備は現代の建築や都市を実現する担い手として発展し輝いてきた。そして,現代都市こそが現代文明そのものである。しかし,現代文明は地球環境問題を引き起こし,袋小路に迷い込んでいる。したがって,現代文明が抱えている地球環境問題の解決に寄与することが,建築設備のさらなる発展と輝き続けることに繋がる。」と説かれています。この30 年も前の示唆が今まさに建築設備分野においても重要なテーマとなっています。
さて,本年は丙午(ひのえうま)に当たります。これは,十干の「丙」と十二支の「午」が組み合わさったものです。どちらも五行では火の性質をもつため,エネルギーが活発になり,活気や行動力を象徴する年とされています。そのため,目標に向かって熱量をもって行動することでこれまで停滞していた物事が一気に動き出したり,大きな飛躍や成長をもたらす年と言えます。
当協会は,2 年後に90 周年を迎えます。これからも地球環境問題の解決に向けた行動力とともに建築設備分野の持続的な発展に尽力したいと思います。引き続き皆様のご理解とご支援をお願い致しまして,新年のご挨拶とさせて頂きます。
協会の目的
1938年(昭和13年)制定された当協会の定款で、その目的を「この法人は、都市、建築物における計画、構造、設備、機器、材料、施工、管理等の建築及び設備の綜合的進歩発展に関する事業を行い広く社会に寄与する事を目的とする。」としております。
協会の名称の中の"綜合"の意味合いについては、1938年(昭和13年)の総会で特に検討され、"ただ集める"という意味の"総合"ではなく、関連分野の各設備を全て有機的に統合して夫々を向上させていくという意志が込められています。
時代とともに、当協会の活動は変遷してまいりましたが、現在の活動の重点は、地球環境、室内環境を含めた建築設備にかかわる技術課題の解決と発展に寄与する事業を行うこととしております。協会活動の現状・成果を月刊誌「BE建築設備」に掲載し、会員各位に告知・還元しています。
またその一環として、正に綜合という名にふさわしい優れた「環境・設備デザイン」を具現化した作品に対して賞を贈り、広く社会に「環境・設備デザイン」並びにそれに携わった人々の価値を認知させる顕賞制度を設け、実行しております。





